美味しいワインを生み出すのは、畑か種か。長年にわたって繰り広げられるこの論争には、決定的な正解は未だ見出されていません。しかし真理がどうであれ、ワイナリーの生産者たちがワイン造りに真摯に向き合う姿勢が、高品質なワインを生み出していることに疑念を挟む余地はないでしょう。「クラヴェサーナ」はイタリアのピエモンテ州で、350軒のブドウ農家からなる農業協同組合。ロゴマークの王冠にある10の鐘楼は、クラヴェサーナワイナリーの農家が属するランゲ地方の10の村を表しており、その全てがドリアーニD.O.C.G.指定のブドウ栽培エリアです。クラヴェサーナはこのD.O.C.G.ワインの誕生に大きな貢献をしています。

そのワイナリー生産地だけが持つ微細な気候条件や土壌の特質など、ブドウ品種だけでは語れない良いワイン造りの条件は、時代が変遷した現代でも変わらない評価を得ています。ブルゴーニュに代表されるそのようなテロワール理論が、ここピエモンテ州にも影響しています。バローロ、バルバレスコなどを生み出し、“イタリアのコート・ドール”と呼ばれる銘醸地を有するこのピエモンテ州で最も愛飲されているワイン、“ドルチェット”を地上で最初に生産したのが、このクラヴェサーナです。ここの生産者たちは、この地で生み出されるワインに誰よりも誇りを持っています。

クラヴェサーナこそが、イタリアにおけるドルチェットのベストセラーメーカーであることは、「ガンベロ・ロッソ」、「デキャンター・ワールド・ワイン・アワード」、「ワイン・スペクテーター」その他、数々の受賞歴や権威あるワイン専門誌の高評価が物語っています。ほかのどの地でもなく、クラヴェサーナの名を冠するこのピエモンテ州の一角だけが、その栄誉に預かることができるのです。

クラヴェサーナでは人口衛星から受信したデータを活用したシステムで土壌調査を行い、そこから区画を分け、さらには各農家に技術者を派遣して栽培を指導します。まさに良いワインづくりに特化したコミュニティといえます。またD.O.C.G.ドリアーニ内の特に優れた畑を持つ農家のブドウからは、クリュ・ワインに比肩するトップ・キュヴェも生産しています。世界で初めてドルチェットの栽培を始め、真摯に向き合ってきたクラヴェサーナでは、生産ワインの90％がドルチェット。最新技術や研究を取り入れつつ、初心を忘れずに地道に丁寧に、高品質なワインを作り続けています。